【7月25日 AFP】羽毛より軽く、食品用ラップの5分の1の厚さの電子回路を、東京大学(University of Tokyo)の染谷隆夫(Takao Someya)教授らの研究チームが開発した。丸めたり引っ張ったりすることすらできる高い柔軟性が特徴で、将来的には、センサーを体内に埋め込むことも可能になるかもしれないという。研究結果は24日の英科学誌ネイチャー(Nature)に掲載された。

 研究チームによると、この回路を使えば、体温、血圧の他、筋肉や心臓の状態といったあらゆる生体情報の計測が可能。例えば、舌しか動かせない人の上あごにこの回路を貼り付け、意思疎通を図るためのタッチパッドのように使うこともできるという。

 厚さはわずか2マイクロメートル、重さは1平方メートルあたりわずか3グラム。一般的な食品用ラップの厚さは10マイクロメートルだ。

 体液と同じ成分の生理食塩水に2週間以上浸しても、問題なく作動することが確認できたため、研究を重ねれば、将来的には体内に埋め込み、データを収集することも可能になるかもしれないという。(c)AFP