【7月21日 AFP】イタリア中部ジリオ(Giglio)島沖で2012年1月にクルーズ船「コスタ・コンコルディア(Costa Concordia)号」が座礁し32人が死亡した事故の裁判で、トスカーナ(Tuscany)州中部グロッセート(Grosseto)の裁判所は20日、被告5人の司法取引を認め、禁錮1年6月~2年10月の有罪判決を言い渡した。現地メディアが伝えた。

 司法取引で減刑された5被告は、クルーズ船運航会社コスタ・クロシエレ(Costa Crociere)の危機管理責任者とインドネシア人操舵手、および副船長と他の乗組員2人。このうち危機管理責任者が最も重い禁錮2年10月を言い渡された。

 一方、フランチェスコ・スケッティーノ(Francesco Schettino)元船長は過失致死や船舶放棄の罪に問われ、現在この事故の裁判で唯一の被告となっている。17日の初公判でスケッティーノ被告の弁護団は、罪を認める代わりに禁錮3年5月に減刑する司法取引を求めたものの、却下された。同被告は20日、改めて司法取引を求めた。

 この事故について民事訴訟を起こしている遺族らは、5被告に対する今回の判決に猛反発。原告側弁護士の1人は伊紙レプブリカ(La Repubblica)に対し、「こうなるとは予想していたが、この司法取引は公正ではない。彼ら(5被告)とスケッティーノ被告が同じ処遇を受けていないのは明らかだ。スケッティーノ被告だけが悪かった、とすべきではない」を語った。(c)AFP/Jean-Louis DE LA VAISSIERE