【7月19日 AFP】インド東部ビハール(Bihar)州の小学校で給食に毒物が混入され生徒が死亡した事件で、地元の村人らが18日、犠牲になった子供たちの遺体を、生徒の遊び場となっていた学校前の空き地に埋葬した。16日に起きたこの事件では、これまでに4歳~12歳の23人が死亡したほか、30人が現在も病院で治療を受けている。

 初期の検査では、レンズ豆やジャガイモ、米などの給食に殺虫剤成分が混入していたとみられる。警察では毒物が故意に投入された可能性も視野に入れて捜査を進めており、18日には同校のミーナ・クマリ(Meena Kumari)校長の自宅などを家宅捜索した。関係者によるとクマリ校長は、生徒たちの死亡が伝えられた後、行方をくらませているという。

 子供たちの集団墓地と化した空き地は、同校の生徒たちが休み時間になると遊んでいた場所だった。「私たちの子供は、学校に殺された。だから全員をここに埋葬することにした」と、娘を亡くした母親は説明した。

 4人の子のうち3人を失った母親は、こう語った。「うちの子たちは皆、学校の給食が大好きだった。私も、子供が毎日1度はまともな食事が取れることを、ありがたいと思っていた。まさか、給食が原因で子供たちが死ぬなんて思いもしなかった」

 一方、5歳の息子を亡くした母親によると、無料で提供される給食に対しては以前から苦情が出ていたという。「息子はよく、給食は嫌な臭いがして苦い味がすると不満を口にしていた。でも、校長は子供たちは全員給食を食べなければならないと言っていた」

 ビハール州政府のP・K・シャヒ(P.K. Shahi)教育相は17日、学校の調理師が給食を提供する前、料理用の油のにおいがおかしいとクマリ校長に訴えたが、校長は問題にしなかったと述べている。

 事件を受けてビハール州にはパニックが広がっており、報道によると各地の学校で給食を拒否したり、ゴミ箱に捨ててしまう生徒たちが続出しているという。(c)AFP/Imran Khan