【7月19日 AFP】オランダ・ロッテルダム(Rotterdam)の美術館から昨年10月に盗み出されたパブロ・ピカソ(Pablo Picasso)やクロード・モネ(Claude Monet)などの7作品が、容疑者の母親によって焼却されたとみられる事件で、ルーマニアの専門家が焼却灰を調査したところ、油絵のものとみられる断片が残されていたことが確認された。分析を行ったルーマニア歴史博物館(National Museum of Romanian History)の館長が18日、明らかにした。

 今年1月に逮捕されたラドゥ・ドガル(Radu Dogaru)容疑者の母親は「証拠を隠滅」するため、総額1億ユーロ(約130億円)を超える作品を自宅のかまどで燃やしたと話している。

 同館長はAFPに対し、焼却灰に残された絵の具について、「分析の結果、20世紀後半以降使用されていない、非常に高価で特殊な顔料であることがわかった」と話し、ルネサンス以後使われていたが今日では使用が禁止されているスズ、鉛、亜鉛が含まれていることを明らかにした。

 また、同館長は、焼却灰に含まれていた残骸が盗まれた絵画のものかどうかについては明言を避け、「捜査員が明らかにしてくれるだろう」と述べるにとどまった。

 しかし、分析結果からは、焼却灰は青、黄、赤の絵の具を使用した単数または複数の絵画のものとみられ、他にくぎも見つかったことが判明している。(c)AFP