【7月18日 AFP】パナマ運河(Panama Canal)を通過しようとした北朝鮮籍の船からミサイルの部品などが見つかった問題について北朝鮮は17日、輸送していた部品は合法的な取り引きに基づくものだったと発表した。

 キューバ政府は、船舶に積まれていた大量の砂糖の袋の下に隠されていた兵器は、「旧式」のソビエト連邦時代のミサイルと部品で、修理のために平壌(Pyongyang)に運ぶ途中だったと説明しており、北朝鮮の他の同盟国もこれと同様の見解を示している。

 朝鮮中央通信(Korean Central News AgencyKCNA)によると、北朝鮮外務省は声明で、「積み荷は旧式の武器にすぎず、合法的な契約に基づき輸送されていたもので、修理後にキューバに送り返すことになっていた」と説明するとともに、「パナマ政府は拘束した乗組員と船舶を速やかに解放する措置を講じるべきだ」と呼びかけた。

 パナマ政府は国連が貨物の詳細な調査を行う必要があるとの認識を示した。国連外交筋は核開発をめぐって国連(UN)が北朝鮮に科した武器禁輸を含む制裁に違反した可能性があると話している。

 パナマのホセ・ラウル・ムリノ(Jose Raul Mulino)治安相は、「輸送する物品を申告していなかったという点で、貨物は違法だ。老朽化したものでも、申告していないものは全て密輸品だ」と指摘。さらに、「われわれが派遣を要請した米英両国の専門家と国連安全保障理事会(UN Security Council)の技術チームが近く到着する」と明らかにした。
 
 パナマは15日、北朝鮮船籍の「Chong Chon Gang」を停船させて違法薬物を積んでいないか調べたところ、ミサイルの部品とみられる兵器が見つかったと明らかにした。さらに翌16日には、キューバ外務省がこの貨物について自国の所有物であると公表。対空ミサイルシステム2基を含む240トンの「旧式の防衛兵器」だと明かにした。

 このほか貨物には、「ミサイル9基分の部品と交換部品」が含まれていたほか、ロシア製のミグ21(MiG-21)戦闘機の各種部品、航空機エンジン15基が積載されていた。いずれも20世紀半ばに製造されたもので、修理した後、キューバに送り返すことになっていたという。(c)AFP