【7月18日 AFP】米誌ローリング・ストーン(Rolling Stone)が最新号の表紙に米ボストン・マラソン(Boston Marathon)の爆弾爆発事件のジョハル・ツァルナエフ(Dzhokhar Tsarnaev)被告(19)を掲載したことで、爆弾事件の被告をポップスターのように扱っていると批判の声が上がっている。

 ロック・スターのインタビューが売り物の同誌の今週の表紙は、あごひげを生やしたツァルナエフ被告。憂鬱(ゆううつ)そうな表情で、乱れた茶色の巻き毛がそっと目にかかっている。

 怒りを招いた同被告の写真は、1971年に原因不明の死を遂げた米ロックバンド「ドアーズ(The Doors)」のボーカリスト、故ジム・モリソン(Jim Morrison)さんの有名な表紙の写真を思い起こさせる。

   「The Bomber(爆破犯)」と題された付随の掲載記事について同誌は、ツァルナエフ被告の「徹底的に明かされたその人生と時代背景」と紹介している。また、「明るい未来があった魅力的な子どもが、どのようにして怪物になったのかについて、多数の情報提供者の悲痛でかつ心奪われる証言インタビュー」に基づいてると同誌は述べている。

 同誌の米SNSフェイスブック(Facebook)のページは17日、同被告を有名人扱いすることに批判的なものを含め、何千ものコメントであふれた。中には「このくず野郎に殺された8歳の男の子の写真の表紙の方が良かった」と書き込む人もいた。

 薬局チェーン大手のCVSとウォルグリーン(Walgreens)、またボストン(Boston)地域のスーパーマーケットチェーン、Roche Brosは、同雑誌の最新号を販売しないと発表した。

 これに対し、ローリング・ストーンは17日、「われわれはボストン・マラソン爆破事件の犠牲者に深く同情し、また犠牲者とそのご家族のご心痛をお察し申し上げます」と声明を発表し、問題の記事を擁護した。(c)AFP