【7月20日 AFP】欧州南天天文台(European Southern ObservatoryESO)は16日、超大型望遠鏡VLT(Very Large Telescope)が初めて捉えた、天の川銀河(Milky Way)の中心にある超大質量ブラックホールによってバラバラに引き裂かれるガス雲の画像を公開した。

 画像の青、緑、赤はそれぞれ、VLTが2006年、10年、13年に観測したガス雲。遠い距離にあるため、この画像ではガス雲の形ではなく位置しか識別できない。ガス雲の延伸は速度を観測することで確認でき、天文学者たちはそれによって、ガス雲のどの部分が軌道上のどの位置にあるかを解き明かすことができる。

 太陽の約400万倍の質量を持つと推定されているこのブラックホールは、正式には「いて座A*(Sgr A*、いてざエー・スター)」と呼ばれる。これまで見つかった中では地球から最も近い超大質量ブラックホールとされており、ブラックホール研究には最適な対象と見なされている。(c)AFP