【7月17日 AFP】2013ツール・ド・フランス(2013 Tour de France)は16日、第16ステージ(ヴェゾン・ラ・ロメーヌからギャップ、168キロメートル)が行われ、モビスター・チーム(Movistar Team)のルイ・コスタ(Rui Alberto Costa、ポルトガル)がステージ優勝を飾った。

 コスタは残り約10キロで迎えたこのステージ最後のマンス峠(Col de Manse)の上りでアタックを仕掛け、独走で優勝を飾った。

 追いかける4選手に大きな差を付けて悠々とゴールしたコスタの後方では、マイヨ・ジョーヌ(総合首位)を争う小競り合いが起きていた。

 総合首位に立つスカイ(Sky Pro Cycling)のクリス・フルーム(Chris Froome、英国)に対し、マンス峠の最後の上りでチーム・サクソ・ティンコフ(Team Saxo-Tinkoff)のアルベルト・コンタドール(Alberto Contador、スペイン)が何度も加速を繰り返したが、スカイのリッチー・ポート(Richie Porte、オーストラリア)にそれを制された。

 フルームを上りで引き離そうとした努力が水泡に帰すと、コンタドールは下りでペースを上げたが、それが危うく大きなクラッシュを招くことになった。

 コンタドールは右へのきつい曲がり道で目測を誤り、落車。追いかけるフルームは何とかコンタドールとの接触を避けたものの、道の脇に外れることを余儀なくされた。

 過去にも、このギャップの道ではクラッシュが起きた。ホセバ・ベロキ(Joseba Beloki、スペイン)がクラッシュしてアスファルトに倒れ込むと、それを追いかけていたランス・アームストロング(Lance Armstrong)がベロキをよけるため道を外れて野原に出ざるを得なかった。

 フルームはレース後、「アルベルトと(コンタドールのチームメイトの)ロマン・クロイツィゲル(Roman Kreuziger)は下りでリスクを負いすぎたんだ。あんなことをするのはアルベルトにとって危険だ。やる必要はなかった。上りでアタックせず、下りでアタックしたんだ」とコメントした。

 一方のコンタドールは、「きつい曲がりだった。クラッシュしないように最善を尽くした。誰かを傷つけようとはしていない。でも僕らはレースしているのだから」と語った。

 総合2位に付けるベルキン(Belkin Pro Cycling Team)のバウケ・モレッマ(Bauke Mollema、オランダ)はスピードを緩め、フルームとコンタドールを追いつかせると、集団はコスタから約11分遅れてフィニッシュした。

 フルームは総合2位のモレッマとの4分14秒差、同3位のコンタドールとの4分25秒差を維持し、総合首位を守っている。

 チーム・ユーロップカー(Team Europcar)の新城幸也(Yukiya Arashiro)は、先頭から20分57秒遅れの114位でフィニッシュし、総合順位ではトップと1時間48分28秒差で総合96位となった。(c)AFP