【7月13日 AFP】パリ(Paris)南郊ブレティニシュールオルジュ(Bretigny-sur-Orge)で12日午後5時14分(日本時間同日午前0時14分)ごろ、高速で駅に進入した都市間高速列車が脱線し、内務省によると少なくとも6人が死亡、26人が負傷した。負傷者のうち9人は重傷。ここ25年間にフランスで起きた中では最悪の列車事故となった。

 現場では、12日夜の時点でも客車内に閉じ込められたままの可能性がある乗客の捜索が続けられている。

 パリを出発し中西部の都市リモージュ(Limoges)に向かっていた列車は、パリから約25キロメートル南にあるブレティニシュールオルジュの駅を高速で通過しようとした際に脱線した。

 約300人の消防隊員、20の救急医療隊と8機のヘリコプターが現地に展開され、パリ全域の病院が負傷者に対応するべく緊急態勢に入った。当局によると、計192人が救急隊の手当てを受けたという。

 現場で記者会見したフランス国鉄(SNCF)のギヨーム・ペピ(Guillaume Pepy)会長によると、事故では計6車両が脱線。3番目と4番目の車両がまず脱線し、他の車両がそれに続いたという。

 事故列車に乗っていた男性(57)はAFPの取材に対し、客車から出るために「頭が切断された人の上をまたいで」歩かなければならなかったと語った。

 フランソワ・オランド(Francois Hollande)大統領も事故現場を視察。「駅で何が起きたかを断定するために」当局が調査を開始したことを明かした。

「列車は高速で駅に進入し、原因はわからないが2つに分離した。列車の一部は走り続け、それ以外の部分はプラットホーム上に横倒しになった」と警察筋がAFPに語った。

 フランス国鉄筋はAFPに対し、「衝突事故ではないしスピードの出しすぎの問題でもない」と述べた。当局によると、同列車は通常、時速150キロメートルで同駅を通過するという。(c)AFP/Diane FALCONER, Julie CHABANAS