【7月10日 AFP】アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)は9日、カタールに開設していた対外連絡事務所を一時的に閉鎖すると発表した。この事務所では、和平に向けタリバンを含む米国とアフガニスタンの協議開始が望まれていたが、タリバン側は閉鎖の理由を「約束が破られたため」としている。

 パキスタンを拠点にしているタリバン関係者は電話でAFPに対し、「われわれは米国人たち、アフガニスタン政府、そしてわれわれに対して誠実でなかった全ての当事者に不満を持っている」と述べたが、それ以上の詳細は語らなかった。

 この事務所は、2001年のタリバン政権崩壊から12年におよぶ戦いを経て和平交渉実現に向けた最初の動きとして6月18日に開設されたが、タリバンがこの事務所を亡命政権の非公式な大使館と位置づけたことにアフガニスタンのハミド・カルザイ(Hamid Karzai)大統領が激怒していた。

 アフガニスタンに駐留する米軍主体の国際部隊の約10万人の兵力が2014年に撤退するまでに、タリバンの反乱を終結させるよう国際的な圧力が強まる中、カルザイ大統領は米国との安保交渉を打ち切り、いかなる和平プロセスも拒否すると脅した。

 米国務省のジェン・サキ(Jen Psaki)報道官は、「タリバンが和解を望むならば、それを進める上で(カタール事務所の)開設をめぐって持ち上がった誤解が障害になることはないとわれわれは理解している。われわれは引き続き和平プロセスの前進を支援するとともに、その呼びかけを繰り返していく」と述べ、カタール事務所の一時閉鎖が「困難なプロセス」を妨げることはないという見方を示した。(c)AFP