【7月9日 AFP】東京電力(TEPCO)福島第1原子力発電所事故で事故対策の指揮を執った吉田昌郎(Masao Yoshida)元所長が9日午前11時32分、都内の病院で食道がんのため死去した。58歳だった。

 東京電力は声明を発表し、「7月9日午前11時32分、食道がんのため都内の病院で逝去」したと述べた。吉田元所長は、2011年11月に入院し、直後に福島第1原発を離れた。東京電力は、事故後の放射線被ばくが、がんの直接の原因である可能性は低いと述べている。

 2011年3月11日、東北地方太平洋沖地震による津波が冷却装置を呑み込み、原子炉がメルトダウン(炉心溶融)して放射性物質が外部に放出されたとき、吉田氏は現地にいた。事故後に余震が頻繁する中、吉田氏は原発を制御下に置くために指揮を執り、現場の作業員らとともに対応に当たった。(c)AFP