【7月9日 AFP】エジプトのアドリ・マンスール(Adly al-Mansour)暫定大統領は8日、議会選挙を来年の早い時期までに実施し、その後、大統領選の日程を発表するという予定を承認した。同国の国営メディアが報じた。

 前週、政権の座を追われたムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)前大統領のもとでイスラム主義者らによって起草された憲法は現在、停止されているが、日刊紙アルアハラム(Al-Ahram)電子版に掲載されたマンスール暫定大統領の布告文によると、その憲法修正案の是非を問う国民投票を5か月後に実施し、その後で議会選挙を行うという。

 反モルシ派のデモを受けてモルシ氏を政権から排除したエジプト軍は、暫定大統領にマンスール氏を指名し、早急に文民統治を回復させると約束している。

 だが憲法を専門とする弁護士のサイード・アリ(Zaid Al-Ali)氏は、布告文の文言は暫定政権が議会選挙を先延ばしにする余地を残していると指摘する。「布告の文言から、全ての選挙は提示した時期内に行えばよいと読める」

 33条からなる布告の「曖昧」な文言は、マンスール暫定大統領が候補者の届け出開始をもって選挙の実施と解釈することを許しているようにも読み取れると、アリ氏は言う。その場合は5か月に加えて、立候補の届け出期間として2か月、選挙期間としてさらに1か月が必要になる可能性がある。

 選挙日程の発表に先立つ8日早朝、モルシ氏が拘束されているとみられる軍施設前に集まった同氏の支持者らが銃撃されて51人が死亡する事件が起き、モルシ前大統領の出身母体「ムスリム同胞団(Muslim Brotherhood)」は蜂起を呼びかけた。ムスリム同胞団は、カイロ(Cairo)で早朝の礼拝に集まったモルシ氏の支持者らが軍の兵士や警官に「虐殺された」と主張している。(c)AFP