【7月6日 AFP】イラクの首都バグダッド(Baghdad)で5日、イスラム教シーア派の集会所を狙った爆弾攻撃があり、15人が死亡した。イラクでは2008年以降で最悪の社会不安が続いており、全面的な宗派間紛争が再来する恐れが高まっている。

 政治的なこう着状態が続くイラクでは、少数派のスンニ派アラブ系住民による抗議行動が数か月にわたり続いている。

 同日には集会所の他にも町の広場を狙った攻撃が相次ぎ、全土で計23人が死亡、数十人が負傷した。最も多くの死者を出した攻撃は、バグダッド北部のシーア派集会所近くで、現地時間の午後8時ごろ(日本時間6日午前2時ごろ)に発生した車爆弾攻撃で、警察や医療関係者によると15人が死亡、32人が負傷した。

 ここ数か月の間に起きた一連の攻撃の犯行声明は出ていないが、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)とつながりのあるスンニ派武装勢力は、自分たちが「背教者」とみなすシーア派を標的とする攻撃を頻繁に行っている。

 バグダッド北方のスンニ派が多く住む町サマラ(Samarra)では、数か月にわたり続く反政府デモの場となっていた広場近くで車爆弾を使った自爆攻撃があり、警察と医療関係者によると7人が死亡、9人が負傷した。一方、バグダッド南方にあるシーア派が多い町クート(Kut)の広場でも現時時間の午前10時ごろ(日本時間午後4時ごろ)に爆弾が爆発し、1人が死亡、17人が負傷した。(c)AFP/Prashant RAO