【7月5日 Relaxnews】同性愛者など性的少数者の祭典「ゲイ・プライド」が世界各地で開催され、米カリフォルニア(California)州とフランスでは相次いで同性婚が合法化された――。そんなここ数か月の情勢を反映し、観光業界は「新婚の同性カップル」という裕福な新興消費者層に狙いを定めている。

 米ニューヨーク(New York)州は先週末、プライドパレード開催に合わせてゲイ・レズビアン・バイセクシュアル・トランスジェンダー(LGBT)向けの観光案内サイト「I Love NY LGBT」を新規開設した。ウェブサイトのロゴには虹色のハートマークがあしらわれている。

 同サイトでは、ウエディング情報の他、旅行ガイドや州内で催されるLGBT関連イベントなども紹介している。それによると同州では10月にレズビアン・ゲイ映画祭が、2月にはハドソン・プライド(Hudson Pride)主催のイベント「ラブ・ボール(Love Ball)」が開催される。また、イサカ(Ithaca)のフィンガーレークス(Finger Lakes)地域では毎月「ディナー・ナイト・アウト(Dinner Night OUT)」が開かれている。

 ニューヨーク州では2011年に同性婚が合法化された。州当局は、同州が結婚式を挙げたい同性カップルにとって人気のウエディング地となることに期待を寄せている。理由は単純。LGBT旅行客の多くは裕福で気前が良いからだ。

 LGBT観光市場は、高い注目を集めている。調査会社「コミュニティ・マーケティング(Community Marketing)」が米国で行った調査では、ゲイやレズビアンの旅行客は異性愛の旅行客と比べ、平均で約1.6倍多く消費するとの結果が出ている。

 高級旅行会社「シックゲイハネムーンズ(ChicGayHoneymoons.com)」では、米連邦最高裁が6月26日に同性婚カップルの権利否定に違憲判決を出した直後から予約が殺到したという。長く付き合っている同性カップルの中には、挙式を省いて豪勢な新婚旅行のみを予約する例もあるそうだ。人気の新婚旅行先は南アフリカ、イタリア、ギリシャ、バリ、タヒチだという。

 一方、米世論調査機関ピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center)が公表した国際調査では、同性愛者に最も好意的な観光地はスペインで、2位以下にドイツ、チェコ、カナダが続いた。調査では「社会は同性愛を受け入れるべきか」と質問し、その回答に基づいて「好意的」のレベルを判断しているが、スペイン人は88%が「受け入れるべき」と答えた。(c)Relaxnews/AFPBB News