【7月4日 AFP】イタリア南部カンパニア(Campania)州の州議会議員60人のうち57人が、選挙助成金を髪染めや民放テレビ局への補助金などに不正使用した疑いで捜査を受けていることが明らかになった。  

 検察当局が3日発表した声明によると、議員らは事情聴取のために警察から呼び出しを受けた。捜査の結果、シルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)元首相が所属する自由国民党(People of FreedomPDL)の議員らは、2011年に1万1000ユーロ(約143万円)を酒場で使っていた他、中道左派の民主党(Democratic Party)は1万4500ユーロ(約188万円)を地方テレビ局3局に渡していたことが分かったという。  

 同国では最近、政治運動資金として毎年国から政党に支払われる選挙助成金の不正使用について、地方議員と国会議員に対する調査が数件行われている。  

 カンパニア州の州都ナポリ(Naples)では、眼鏡から化粧品、子どもの玩具やDVDなど、ありとあらゆる物にこの資金が使われていたことが判明した。  

 その支出総額は2年間で170万ユーロ(約2億2100万円)に上り、その最大の受領者の1つは、汚職と闘う元検事により立党された中道左派政党「価値あるイタリア(Italy of Values)」だった。捜査当局は、同党の支出の95%が「変則的で疑わしい」ものであると語った。  

 新興野党「五つ星運動(MoVimento 5 StelleM5S)」は、いかなる国家補助金の受け取りも拒否しており、州議会の総辞職と州議会選挙の実施を要求している。(c)AFP