【7月4日 AFP】2020年夏季五輪の招致に向け、最終候補の3都市が3日、スイスのローザンヌ(Lausanne)で国際オリンピック委員会(International Olympic CommitteeIOC)の委員に対するプレゼンテーションを行った。

 各都市が招致を目指す中、スペインのマドリード(Madrid)はフェリペ皇太子(Prince Felipe)が登壇し、好印象を与えた。

 イスタンブール(Istanbul)と東京は皇族などを登場させることはなかったものの、どちらも国のナンバー2を起用し、強力なプレゼンテーションのチームを組んだ。

 東京は、1976年のモントリオール五輪にクレー射撃で出場した麻生太郎(Taro Aso)副総理が登場し、2011年の東日本大震災から目覚ましい復興を見せている日本で、五輪開催はそのひとつの到達点となると語った。

「われわれは2011年3月11日、津波によって大きな被害を受けました。誰もが日本は破壊されたという印象を抱きましたが、われわれはもう一度、五輪招致に動き、立ち直った日本の姿を世界に示したいと考えました」

「2020年に東京で五輪が開催されれば、日本国民に大きな勇気を与えることができる。非常に重要なことです」

■各都市への評価は?

 イスタンブールのプレゼンテーションを行った、経済政策担当のアリ・ババジャン(Ali Babacan)副首相は、トルコ全土に広がっている政府への抗議行動については、IOC委員の誰からも質問は出なかったと述べた。

 またババジャン副首相は、評価委員の報告書で懸念されていた鉄道のトンネルや道路のトンネル、橋などの交通網については、すでに着工の準備に入っていると語った。

 マドリードは、2年前の立候補の判断に疑問が投げかけられていたが、疑いの余地なく流れをつかんでいる。スペインは当時から金融危機の渦中にあり、同じ欧州で立候補を検討していたイタリアのローマ(Rome)は、経済情勢を鑑みて断念している。

 IOC評価委員会(IOC Evaluation Commission)が前週に発表した評価報告書で、マドリードは極めて高い評価を得ており、23億7000万ユーロ(約3080億円)という適度な予算ながら、開催施設やインフラの多くはすでに整備されており、開催が可能な状態にあるとされた。そして今回のプレゼンテーションでは、9月7日にアルゼンチンのブエノスアイレス(Buenos Aires)で行われる最終投票へ向け、幸先の良い滑り出しを見せた。

 3都市が争う今回の招致レースでは、過去4度敗れているイスタンブールが最も効果的な招致キャンペーンを展開しており、対して候補3都市の中で唯一、1964年に五輪を開催している東京は、前回の開催から期間が短すぎるという見方がある。マドリードは、2012年大会の招致では3回目で落選、2016年大会では決選投票で敗れている。

 委員の1人はAFPに対し、ロシアのサンクトペテルブルク(St Petersburg)で行われた前回のプレゼンテーションと今回のローザンヌのものとで、マドリードの印象はまったく正反対だったと語った。

「今回のマドリードのプレゼンテーションは素晴らしかった。サンクトペテルブルクでは3都市の中で一番ひどかったが、今回は堂々たるものだった。東京は少し平凡で、あまり良くなかった。イスタンブールは情熱にあふれていた」

(c)AFP/Pirate Irwin