【7月2日 AFP】内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」は1日、米当局による監視プログラムの存在を暴露した米中央情報局(CIA)元職員エドワード・スノーデン(Edward Snowden)容疑者(30)が、21か国に亡命を申請していることを明らかにした。

 この件に関するスノーデン元職員の法的相談役として同行しているウィキリークスのサラ・ハリソン(Sarah Harrison)氏がスノーデン元職員の代理として、先に亡命申請を出していたエクアドルとアイスランドに加え、さらに19か国に申請書類を提出したという。

 ウィキリークスはインターネット上に「申請書類は(1日)夜遅くに、モスクワのシェレメチェボ(Sheremetyevo)空港内にあるロシア領事部の事務所の職員に提出された。書面は米国でスノーデン氏が迫害される危険性を述べたもので、ロシア領事部がモスクワ(Moscow)の関係各国大使館に届け始めている」とする声明を掲載した。

 ウィキリークスによると19か国は、オーストリア、ボリビア、ブラジル、中国、キューバ、フィンランド、フランス、ドイツ、インド、イタリア、アイルランド、オランダ、ニカラグア、ノルウェー、ポーランド、ロシア、スペイン、スイス、ベネズエラ。

 一方、スノーデン元職員は同日、8日前の6月23日に香港(Hong Kong)を出て以来、初めて声明を発表し、自分が亡命申請を通じて保護を求めている各国の指導者たちに対し、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領がジョー・バイデン(Joe Biden)副大統領に命じて圧力をかけていると非難した。

 また米国への身柄引き渡しを回避している元職員は、エクアドルのラファエル・コレア(Rafael Correa)大統領に力添えを感謝する書簡を送ったことを明らかにした。英通信社プレス・アソシエーション(Press Association)が入手した内容によると、元職員は「世界で最も力の強い政府に対して、一個人の人権のために抵抗するリスクを冒す指導者は世界にほとんどおらず、エクアドルとその国民の勇気は世界への見本だ」と記しているという。(c)AFP