【7月2日 AFP】ジョン・ケリー(John Kerry)米国務長官は1日、ブルネイの首都バンダルスリブガワン(Bandar Seri Begawan)で開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)外相会議で、南シナ海(South China Sea)における領有権問題で紛争を避けるための「行動規範」策定に消極的な中国をけん制した。

 ケリー国務長官は外相会議で「この重要地域の安定を確保するため、実質的な行動規範をめぐり進展があることを強く望む」と発言した。

 実質的に南シナ海全域で小さな島々の領有権を主張している中国をフィリピンとベトナムが批判しているほか、ブルネイ、マレーシア、台湾も南シナ海の一部で領有権を主張しており、南シナ海の領有権問題は紛争の火種になりつつある。

 中国政府は、南シナ海は米政府が介入すべき問題ではないと主張しているが、ケリー国務長官は世界貿易にとって不可欠な同海域の航行の自由を守ることは米国の「国益」だと強調した。

 中国はこの問題で各国との個別協議を望み、ASEANとの間で行動規範を策定することには消極的だった。しかし中国は6月30日、行動規範策定に向けた協議を始めることに同意した。(c)AFP/Shaun Tandon and Martin Abbugao