【7月2日 AFP】オーストラリアで数世紀前のものとみられる白人男性の頭蓋骨が見つかり、豪東海岸に最初に上陸した欧州人は18世紀英国の探検家、「キャプテン・クック(Captain Cook)」ことジェームズ・クック(James Cook)船長だとするこれまでの定説を疑問視する声が上がっている。

 頭蓋骨は2011年、ニューサウスウェールズ(New South Wales)州北部で見つかった。警察は当初、猟奇的な殺人事件として捜査を行う予定だったが、科学分析の結果、その頭蓋骨は予想以上に古いものだったばかりか、1650年頃に生まれた白人男性のものである可能性が高いことがわかった。エンデバー(Endeavour)号に乗ったクック船長が豪東海岸に上陸した1770年よりもずっと以前ということになる。

 しかし、歴史家らの態度は慎重だ。考古学者のアダム・フォード(Adam Ford)氏は地元紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)に対し、「欧州からの入植者の歴史を書き換える前に、考慮しなければならない問題がたくさんある。特に、(頭蓋骨)発見時の状況だ」と話した。「頭蓋骨の状態が良く、しかも頭蓋骨しか見つかっていないということは、収集家のコレクションであった可能性が容易に推測できる。頭蓋骨は19世紀に収集家の間でとても人気がありましたからね」(c)AFP