【6月28日 AFP】テニス、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2013)で3回戦に駒を進めた大会第12シードの錦織圭(Kei Nishikori)が、会場に多くの日本人ファンが駆けつけたことが、自身の力になったと語った。

 27日に行われた男子シングルス2回戦で錦織は、アルゼンチンのレオナルド・メイヤー(Leonardo Mayer)に7-6、6-4、6-2で勝利していた。

 前回の2012年大会で、日本勢としては1995年以降で最高成績となる2回戦突破を果たしていた錦織は、今回の勝利でその記録に並んだものの、今大会ではさらに上を目指している。

 そして世界ランキング11位の錦織は、ジュニア時代に指導を受けた経験のある松岡修造(Shuzo Matsuoka)氏と同じベスト8に自身も到達できると確信している。

 1995年に松岡氏はピート・サンプラス(Pete Sampras)氏に敗れたものの、準々決勝まで勝ち残っており、この成績がウィンブルドンで日本人男子の最高成績となっている。

 3回戦で第23シードのアンドレアス・セッピ(Andreas Seppi、イタリア)と対戦する錦織だが、そこでもまた日本のファンからのサポートが自分に力を与えてくれると考えている。

 この日の12番コートには多くの日本人ファンが集まり、錦織だけでなく、早い時間帯の女子シングルスの試合でアレクサンドラ・カダントゥ(Alexandra Cadantu)に勝利し、大会最年長での3回戦進出を果たしたクルム伊達公子(Kimiko Date Krumm)のプレーを見守った。

 錦織は「同じコートで、日本人が2試合連続で勝てたのは気持ちいいですね。伊達さんは芝では本当に良いプレーをします。日本の人もたくさん見に来てくれました」と語った。

「外国で試合をする時は、特にそういうのがすごく背中を押してくれます。今日はたくさんの応援がありました。日本人の観客がいる中でプレーするのはいつだって気持ちいいし、楽しいですね」

■錦織、3回戦の相手セッピは「手強い」

 錦織はセッピとの試合に勝利すれば、2012年の全豪オープンテニスで達成した自身のグランドスラム最高成績まであと1勝に迫る。その全豪で錦織は、日本人の男子選手としては80年ぶりの準々決勝進出を果たしている。

「やれると思ってます。セッピは手強いし、特に芝では良い成績を残してます。ストロークが安定していて、あのリズムを崩すのは簡単ではない」

「でも僕も良いプレーができているし、サーブもリターンも、全部上手くいっている。どんどん上に行きたいですね」

 26日に負傷者が相次いだウィンブルドンでは、負の連鎖がこの日も続き、2回戦では最終的に過去最多となる9人が棄権した。

 そうした状況もあって、錦織は無傷で試合を終えられたことに安堵しているが、時折コートに足を取られることがあったと認めている。

「僕としては、ここ何年かのウィンブルドンと違いはないです。滑ったり、けがをしたりする選手はいつも多いですから」

「僕もよく滑ってますけど、けがはしないように気を付けてます。芝の試合はいつだって難しい」

(c)AFP