【6月28日 AFP】米国のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領は27日、米当局による市民監視プログラムの存在を暴露して訴追された米中央情報局(CIA)元職員エドワード・スノーデン(Edward Snowden)容疑者(30)をめぐり、ロシア・中国との間で高まっている緊張の緩和を狙った発言をした。

 ロシア政府によると、スノーデン元職員は23日に香港(Hong Kong)からモスクワ(Moscow)のシェレメチェボ(Sheremetyevo)国際空港に到着して以来、同空港の乗り継ぎ区域内にとどまっている。

 米国は元職員の旅券(パスポート)をすでに無効化しているが、オバマ氏は現在訪問中の西アフリカ・セネガルで、もし元職員がロシアから空路で出国するとしても、「戦闘機を緊急発進させてまで、つかまえるつもりはない」と述べた。

 またオバマ氏は、スノーデン元職員の問題でロシアおよび中国との関係悪化を望まない考えを示した。さらに、これまで元職員をめぐる「裏駆け引き」を行ってきた事実はないと言明。中国の習近平(Xi Jinping)国家主席とロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領のいずれにも、この問題を直接協議するために電話をかけたことはないとし、「その理由は第一に、その必要がなかったからだ。本件は、各国の法執行当局の間で、通常の規定にのっとって処理されるべき事項だ」と述べた。(c)AFP/Stephen COLLINSON