【6月27日 MODE PRESS】2013年「モンブラン国際文化賞(モンブラン・デ・ラ・キュルチュール - アート・パトロネージ・アワード)」の授賞式が都内で27日に開催された。

 あらゆる芸術の分野で、才能ある若きアーティストの育成を影から支える“現代のアートパトロン”の栄誉を称える目的で設立された同賞。今年世界12か国(地域)で実施され、日本では歌舞伎俳優の市川猿翁(Eno Ichikawa)氏が受賞した。

■演劇界における教育と育成を評価

 猿翁氏は1939年に二代目市川段四朗の長男として生まれ、3代目市川猿之助を襲名。国立の演劇学校を卒業した若手を起用する「二十一世紀歌舞伎組」や、伝統的な歌舞伎に現代語の台本と最新の演出を組み合わせた「スーパー歌舞伎」など、歌舞伎界に与えた影響がモンブラン文化財団審査員に感銘を与え、受賞者に選出された。猿翁氏には、賞金1万5000ユーロと、受賞者のために限定生産された万年筆「パトロンシリーズ」のリミテッドエディションが授与された。賞金は受賞者が選ぶ団体に寄付することができ、今回は「二十一世紀歌舞伎組」に贈られる。

 授賞式では息子の市川中車(Chusha Ichikawa)氏が登壇し、体調不良の猿翁氏を支えた。また授賞式の中盤には同じく歌舞伎俳優の市川右近(Ukon Ichikawa)氏と市川猿弥(Enya Ichikawa)氏が登壇し、演目「二人三番叟(ニニンサンバソウ)」を披露。「二十一世紀歌舞伎組」の面々も駆けつけ、猿翁氏の受賞を祝った。(c)MODE PRESS