【6月26日 AFP】中国過去最長の15日間にわたる有人宇宙飛行を終えた「神舟10号(Shenzhou-10)」が26日、3人の宇宙飛行士と共に地球に帰還した。中国は2020年までに恒久的な宇宙ステーションを建設するとの目標を掲げており、目標に向けての大きな一歩となった。

   「神舟10号」の帰還カプセルは26日午前8時7分(日本時間同日午前9時7分)、砂ぼこりを巻き上げて内モンゴル(Inner Mongolia)自治区の草原に着陸。その様子は、国営放送で生中継された。

 着陸した宇宙船にはすぐに技術者らが駆け寄り、ハッチを開けて中に入りクルーの安全を確認した。無事が確認されると、管制センターでは歓声が上がった。

 午前9時31分、最初に聶海勝(Nie Haisheng)船長がハッチから顔を出して笑顔を見せた。続いて女性宇宙飛行士の王亜平(Wang Yaping)氏が笑顔で手を振りながら、さらに張暁光(Zhang Xiaoguang)氏がカプセルから姿を現した。

 今回のミッションの目玉となったのは、宇宙ステーションの建設に向けた準備の一環として行われた軌道を周回中の実験用モジュール「天宮1号(Tiangong-1)」とのドッキングのテスト。先週には王氏が中国全土の子どもたちに向けて中継で授業を行い、回転するおもちゃや水の玉などさまざまな物体が無重力でどのように振る舞うか披露した。また、飛行士らはミッション中、医学実験も行った。

 中国が有人宇宙飛行を初めて成功させたのは2003年。宇宙開発に関する能力は米露に大きく遅れを取っている。しかし、月面に人を着陸させることなどをはじめ、同国は非常に野心的なプログラムを掲げている。(c)AFP/Kelly OLSEN