【6月26日 AFP】日本のレース鳩が太平洋(Pacific Ocean)を横断してカナダ西岸沖のバンクーバー島(Vancouver Island)で保護されたことについて、このハトの所有者は25日、ハトがカナダまで飛んでいったという話は聞いたことがなく信じられなかったと話すとともに、カナダ国内で世話をしてくれたら嬉しいと語った。

 このハトは、バンクーバー島のカナダ空軍基地で、消耗し、やせ細っていたところを発見された。鳥類保護団体「Mountainaire Avian Rescue Society」によって寄生虫処置などの手当てを受け、現在は健康を回復している。同団体のレグ・ウエストコット(Reg Westcott)氏は、太平洋上の貨物船などに降り立って羽を休めつつカナダにたどり着いたのではないかと考えている。

 ハトの所有者である茨城県石岡市の男性(73)によると、このハトは1歳で、先月9日、1000キロメートルのレースに出場し、北海道羽幌(Haboro)町から約8000羽のハトと共に空に放たれた。引退したビジネスマンで熱心な愛好家である男性は、このハトを含めて10羽のレース鳩を所有していたという。

 ハトの脚環に記載されていた電話番号を基に男性に連絡したウエストコット氏らに対しては、民間機で日本まで輸送すれば、餌や水を与えるなどの適切な世話を受けられずに死んでしまうかもしれないとして、送り返してもらうことは断念すると伝えたという。

 カナダの鳩レース協会がこのハトを雌と交尾させることにしており、長距離レースに適した子孫を残すだろうと期待されている。カナダ側にハトの血統書を送付することに同意したという男性は、ハトが太平洋の向こう側で新たな生活を見つけてくれれば嬉しいと語った。(c)AFP