【6月24日 AFP】大規模な洪水でこれまでに3人が死亡、10万人が避難しているカナダ西部アルバータ(Alberta)州では23日、人口6万人のメディシンハット(Medicine Hat)市当局が市内の低地に住む約1万人に避難命令を出した。市内を流れる南サスカチワン川(South Saskatchewan River)川が氾濫し、広域で浸水が確認されたため。

 カナダ西部ではここ数日の豪雨で複数の河川が氾濫し、一時はアルバータ州の主要都市カルガリー(Calgary)の一部を含む20自治体に非常事態が宣言された。カナダ軍によると、兵士1000人と複数の軍用機が同州に派遣され、救助活動に当たっている。

 22日にはハイリバー(High River)で3人が遺体で見つかった他、1人が行方不明になっている。

■カルガリー市民の帰宅は週後半に、パイプラインで流出事故

 カルガリーのナヒード・ネンシ(Naheed Nenshi)市長は、浸水した市中心部には週の半ばまで立ち入ることができず、電力も復旧しない見通しだと語った。

 カルガリーから避難していた住民の一部は帰宅を始めているが、カナダ放送協会(CBC)テレビによると、依然7万5000人が当局の帰宅許可を待っているという。

 また石油会社エンブリッジ(Enbridge)は、異例の豪雨によりフォートマクマレー(Fort McMurray)南東70キロメートルにあるパイプラインから推定750バレルの合成石油が流出したため、パイプラインを止める措置を取ったと発表した。(c)AFP