【6月24日 AFP】24日に開幕するウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2013)の男子シングルスでアンディ・マレー(Andy Murray、英国)は、77年に及ぶ同大会での英国人選手の苦境に終止符を打つことを目指し、大会に臨む。

 英国人選手がウィンブルドンの男子シングルスを制したのは、フレッド・ペリー(Fred Perry)氏が優勝した1936年大会が最後。スペイン内戦が勃発し、米国のジェシー・オーウェンズ(Jesse Owens)氏がベルリン五輪でアドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)とナチス・ドイツ(Nazi)の望みを打ち砕いた同じ年にあたる。

 マレーは昨年のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2012)の決勝でロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)に敗れ、センターコートで号泣した。

 しかしその1か月後、マレーはロンドン五輪に出場するためウィンブルドンの開催地でもあるオールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ(All England Lawn Tennis and Croquet Club)に戻り、金メダルを獲得した。さらにその後の全米オープン(The US Open Tennis Championships 2012) で優勝を飾り、英国人選手として76年ぶりとなる四大大会(グランドスラム)の優勝を果たした。

 現在世界ランク2位のマレーは、「去年のウィンブルドン決勝は、僕にとって重要だったと思う」と語る。

「(昨年大会の)5、6日後に練習を再開して、とても良い感触を得た覚えがある。以前の自分はグランドスラムの決勝で敗れた後、数か月間良い結果を残せなかったことがよくあった。前は決勝で負けた後、あまりうまくに対応できれていなかった」

「昨年の決勝と決勝でのプレー、それから楽しみにしていたロンドン五輪。そのような要素が混ざり合った結果、あの期間に僕は変わったと思う。考え方を少し変えたんだ」

 通算8度目のウィンブルドン出場に臨むマレーは、前哨戦のエイゴン選手権(AEGON Championships 2013)で3度目の優勝を飾った。また、全仏オープンテニス(French Open 2013)欠場の原因となった腰の痛みからも現在は解放されている。

 一方で今大会のマレーは、組み合わせに恵まれたとは言い難く、7度のウィンブルドン優勝を誇るフェデラー、さらに優勝2度で、今季の全仏で史上最高となる8度目の優勝を果たしたラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)と同じ山に入っている。

 しかし涙に暮れた前年大会の雪辱に燃えるマレーは、厳しい組み合わせも意に介していない。(c)AFP/Dave JAMES