【6月19日 AFP】月面上で新たに280個のクレーターとみられる地形の存在を確認したと、豪大学の研究チームが18日、発表した。月の歴史の解明に役立つ発見だという。

 豪カーティン大学(Curtin University)の科学者らは、人工衛星で収集した重力と地形のデータを合成し、コンピューターモデルを使用して、最初に月の裏側で2個の盆地の存在を特定した。その後、高解像度の画像を作成して、クレーターの可能性がある盆地を計280個発見した。

 研究者のウィル・フェザーストーン(Will Featherstone)氏は「さらに多数(のクレーター)が、光学観測や単に地形によって既にマッピングされている」とAFPに語った。「このように、既知のクレーターは数多く存在する。われわれはこの技術を適用して、容易には確認できないクレーターの存在を浮き彫りにすることができた」「地形と重力とを組み合わせて使用することにより、詳細な調査が必要な何かが存在することを、さらに明確に示すことができた」

 同氏によると、研究者らは月の表と裏の両方の月面を調査したが、裏側の調査は人工衛星が地球から追跡できなくなるため、より難しかったという。研究者らはこの問題を回避するため、月を周回しながら互いに追跡し合う複数の人工衛星を用いたミッションで収集したデータを使用した。「これにより、月を周回している人工衛星が月の裏側に入り、地球からは見えなくなっても、他の人工衛星で見ることができる」と同氏。

 同氏によると、今回確認された280個のクレーター候補のうち、地形と重力の両方から判断して、66個が「明瞭に見える」クレーターとして分類された。

 同氏は「科学者らは、盆地を探して月を隅から隅まで調べる代わりに、これらの地域に的を絞ることができる。これは、月の調査や、月と太陽系の歴史の調査の助けになる」と述べた。

 同氏によると、研究チームは、火星の重力に関する研究も既に行っている他、金星など他の惑星についてもデータセットを提供することができるという。

 また、米航空宇宙局(NASA)の「グレイル(Gravity Recovery and Interior LaboratoryGRAIL)」ミッションによる新しい重力データに自身の技術を適用することで、さらなる発見が得られることが期待されていると、同氏は述べている。同ミッションで使われた2基の衛星、「エブ(Ebb)」と「フロー(Flow)」は2012年末、ミッション終了に伴い、周到な計画に基づいて月面に衝突させられた。(c)AFP