【6月18日 senken h】オリンピック、サッカーワールドカップに次ぐ世界3大スポーツイベント「ツール・ド・フランス(Le Tour de France)」。世界中から約1500万人が観戦に訪れ、およそ20億人がテレビに釘付けになるサイクルロードレースだ。1903年に始まったこのビッグイベントがなんと今年で100回目。夏のフランスの美しい田園地帯や厳しくも壮大な山岳地帯、世界遺産などを舞台に繰り広げられる熱い戦い――日本では知らない人も多いであろうツールの面白さを、紹介したい。

■ツール・ド・フランスって?

 世界中から選び抜かれた9人編成のトップチーム約20~22組が出場し、約3週間で約3500kmを走破する世界一美しく壮大で過酷な自転車レース。平地や山岳、タイムトライアルなど多彩な全21ステージがあり、ゴールはパリのシャンゼリゼ。個人総合時間賞、スプリント力を競うポイント賞、山岳賞、新人賞などを目指し、エースを勝たせるためチームの選手がアシストに徹するチーム戦だ。

 長い走行距離や下りでは時速100kmとも言われるスピード、険しい峠越えと、その過酷さゆえ毎年リタイアする選手も多い。精神力、体力、技術、チーム力、ある時は運。すべてが必要となる厳しいレースだが、風物詩のひまわり畑や山道、世界遺産などの景色は絶景。頂点を目指す熱い戦いとともに、ツールのすばらしさのひとつになっている。

■コメント/ツールはここが面白い!

―「選手の駆け引きと一体感」 /ルコックスポルティフ原宿店 店長 山田洋介さん
 「今回で100回を迎える歴史あるレースであるということはもちろん、ひとつのレースを約1カ月かけて行うところがツールの面白さ。随所に見られる選手同士の駆け引きや、スタッフや観戦者など、周りをサポートしている方との一体感、熱気が特別です。今年はとくにツール史上初となる夜の最終日、シャンゼリゼに注目です」

―「身近さとキャラバン隊が魅力」/プーマジャパン マーケティング部長 樫村浩史さん
 「日常生活に密接した場所で、世界3大スポーツイベントが体験できること。初夏のフランスの絶景や、地域の人がコース脇にオブジェを作り、大会を自ら盛り上げる点はすばらしいの一言です。また、3500kmの距離を沿道の子供たちにギフトを贈りながら登場する数百台のキャラバンカーはツールならでは。レース外の楽しさの演出も欠かせない魅力です」

―「夢のサイクリングイベント」/さいたまスポーツコミッション 副参与 星野正さん
 「年齢、性別、キャリアを問わず、さまざまな人が楽しめるのがツール。多彩なステージ設定や起伏に富んだコースを走り抜く世界のトップ選手、沿道の観客とその雰囲気は、まさに世界最大の『夢のサイクリングイベント』。スポーツを通じた地域の振興や経済活性化を、自転車というスポーツを通じ実現している点もすばらしいです。

―「風景や名所、観客も楽しさに」/ジェイ・スポーツ マーケティング部 大川佳佑さん
 「年に1度やってくる3週間のお祭り。エース・アシストを含めたチーム同士の駆け引き、というレースの側面も魅力ですが、フランス各地の風景、名所を映し出す映像や、コース脇で仮装したり熱狂している観客を見るのも楽しみのひとつです。今年はフランス一周旅行に行った気分になれそうな、100回大会ならではの魅力的なコースです」

■今年の見どころ

 今年のスタート地点は、皇帝ナポレオンの生誕地・地中海に浮かぶコルシカ島。ツール初となるこの秘境で3ステージ戦ったのち、フランス本土に上陸すると、第7ステージ(7月5日)にアルビの司教都市、第11ステージ(7月10日)でモン・サン・ミッシェルと世界遺産が登場。第14ステージのリヨンでは、ローマ~ルネッサンス時代の景観を残す旧市街を通るという話もあり、まさに名所揃いのコースとなっている。

 アルプスの山々を駆け抜ける第15~20ステージでは、これまで数々のドラマを生んだ難所であり、総合優勝争いに大きく関わりそうなラルプ・デュエズを1日に2度登るという驚きの第18ステージが待つ。最後に迎える第21ステージはヴェルサイユ宮殿をスタートし、凱旋門の真下を通り夕暮れの美しいシャンゼリゼがゴールだ。

 これまで2度の総合優勝経験があるアルベルト・コンタドールや、昨年の覇者「スカイ プロサイクリング」のウィギンス、フルームが優勝候補筆頭。リベンジに燃える最強スプリンター、マーク・カヴェンディッシュ、昨年敢闘賞に輝いた新城幸也など日本人選手の出場にも注目だ。

■ジェイ・スポーツ/全21ステージを独占生中継、ツール・ド・フランスをライブで見よう!
 野球、サッカー、ラグビー、格闘技、モータースポーツにサイクルロードレース。世界中のさまざまなスポーツを多彩なプログラムで放送している、4チャンネルマルチ編成のスポーツテレビ局「J SPORTS」。「ジロ・デ・イタリア」、そして6月29日から始まる「ツール・ド・フランス」、8月24日開催の「ブエルタ・ア・エスパーニャ」の世界3大ツールも、全ステージ独占生中継中だ。レースにかける人々の熱い思いとそこにあるドラマに、心が震えるはず。(c)senken h / text:加藤陽美

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