【6月18日 AFP】17日に行われたサッカーコンフェデレーションズカップ2013(Confederations Cup 2013)のナイジェリア戦で、タヒチの選手として主要国際大会で初の得点を挙げたジョナタン・テハウ(Jonathan Tehau)は、その喜びを必死に言葉にした。

 国際サッカー連盟(FIFA)のランキングで138位のタヒチは、このレベルの大会に初出場。ナイジェリアに1-6で敗れたものの、タヒチの選手はテハウが決めた得点を勝利したかのように喜んだ。

 0-3とリードされた後半9分、テハウはCKのボールにファーポストで合わせ、同国唯一のプロ選手であるマラマ・ヴァイルア(Marama Vahirua)のカヤックをこぐまねをするゴールセレブレーションでチームメイトとともに喜んだ。

 配送運転手として働き、ロレンゾ(Lorenzo Tehau)とアルビン(Alvin Tehau)の双子の弟やいとこのテアオヌイ・テハウ(Teaonui Tehau)とともにプレーするテハウは、ボールがネットを揺らした瞬間に頭が真っ白になったと語った。

「何も考えなかったよ。友達とただただゴールを喜んだんだ。ブラジルにやってきて、ゴールを決めて、それだけで大きなことさ。僕や家族、友達、チームメイトにとってハッピーなことだよ」

 このゴールが人生の分岐点になることを願うと語ったテハウは、理想のクラブはどこかと尋ねられると、「夢見ちゃいけないかな?FCバルセロナ(FC Barcelona)だよ」と、はにかみながら答えた。

 ヴァイルアにとって、テハウの得点はタヒチが望める物のすべてだったという。

「試合の頭からチームメイトには自分たちを信じろと言っていた。サッカーは精密な科学じゃない。僕らはアマチュアかもしれないが、気持ちや頭の中ではプロのように振る舞わなきゃならない。自分たちのことを誇りに思う」

 試合が行われたベロオリゾンテ(Belo Horizonte)のミネイラン(Mineirao)では大部分の観客がタヒチ側につき、ナイジェリアの選手に対してはブーイングを浴びせ、テハウが得点すると歓喜に沸いた。

 タヒチのエディ・エタエタ(Eddy Etaeta)監督は、「観客を目にしたとき『あぁ、ベロオリゾンテはわれわれの味方だ』と口にしました。応援してくれた方々に感謝したい。われわれは応援され慣れていないが、今日はブラジルの方々の心をなんとか射止めたようだ」と、その歓迎ぶりに圧倒されたと語った。

 タヒチは、世界最強の欧州王者スペインとの対戦を控えている。テアウは、「あまり多くのゴールを許してはいけない。ダメなプレーをしてはいけない。そして、いつもテレビで目にしている選手たちとの対戦を楽しめるようにしたいね」とコメントした。(c)AFP/Tom WILLIAMS