【6月17日 AFP】カナダ西部で、牛海綿状脳症(狂牛病、BSE)のヒト変異型であるクロイツフェルト・ヤコブ病(Creutzfeldt-Jakob diseaseCJD)の疑いのある症例が4件報告され、うち1件で患者が死亡したと、同国のメディアが14日、報じた。

 公営放送局「カナダ放送協会(Canadian Broadcasting CorporationCBC)」が伝えたブリティッシュコロンビア(British Columbia)州衛生局のぺリー・ケンドール(Perry Kendall)氏の話によると、退行性脳疾患のクロイツフェルト・ヤコブ病は非常に珍しい病気のため、同病の疑いのある症例が4件も同時発生することは、非常にまれ。

 クロイツフェルト・ヤコブ病には変異型が2種類存在し、そのうちの1つが狂牛病に感染した牛に関連していると考えられている。ケンドール氏によると、バンクーバー(Vancouver)東郊のフレイザーバレー(Fraser Valley)地域で報告された4件の症例は、感染した牛肉を食べたことが原因で発症したものではないとみられている。ブリティッシュコロンビア州では、年に5~6件の症例が報告されるという。

 患者の1人はすでに死亡しており、15日現在、脳組織のサンプルの分析が行われている。他の3件に関する診断は、患者の死亡をもってのみ行うことができる。(c)AFP