【6月16日 AFP】パキスタン南西部バルチスタン(Baluchistan)州の州都クエッタ(Quetta)で15日、女子大学生が乗ったバスが武装集団によって爆破され、14人が死亡、19人が負傷した。政府当局者が明らかにした。その約90分後、負傷者が搬送された病院が襲撃され、準軍事組織の辺境州防衛部隊(Pakistani Frontier Corps)報道官によると、さらに11人が死亡、17人が負傷した。

 2番目の攻撃が行われたのは、負傷者が搬送された同市の医療機関ボラン・メディカル・コンプレックス(Bolan Medical Complex)の救急病棟。武装集団は銃撃した後、病院内に立てこもった。

 チョードリー・ニサル・アリ・カーン(Chaudhry Nisar Ali Khan)内相が報道陣に語ったところによると、こう着状態が数時間続いた後、治安部隊が建物に突入し、人質35人が解放されたという。病院内では自爆攻撃もあったという。

 パキスタンで今年起きた死者を出す攻撃のうち2件がクエッタで起きている。2件ともパキスタンでは少数派のイスラム教シーア派(Shiite)を標的にしており、今回の攻撃で犠牲となったのは、シーア派住民の間で人気のある女子大学の学生だった。

 現在のところ犯行声明は出されていないが、クエッタはパキスタンの最大宗派であるイスラム教スンニ派(Sunni)と、同国の人口約1億8000万人のうち20%を占める少数派のシーア派との宗派間対立の中心地となっている。(c)AFP