【6月15日 AFP】シンガポール当局は14日、世界の大手銀行を含めた20の銀行に対し、同国の指標金利の操作を試みたと非難し、うち19行に1億~12億シンガポールドル(約74億~900億円)の無利子の準備金を1年間積み増すよう命じた。

 同国の中央銀行に当たるシンガポール通貨庁(Monetary Authority of Singapore, MAS)は、1年にわたる調査の結果、米銀行大手のバンク・オブ・アメリカ(Bank of America)、JPモルガン・チェース(JPMorgan Chase)、また英銀スタンダード・チャータード(Standard Chartered)を含む20の銀行が、内部統制と危機管理が不十分であったために、トレーダーによる金利操作の試みを可能にしたことが明らかになったと述べた。

 MASは、これらの銀行の133人のトレーダーが「指標に不適切な影響を与える試みを数回行っていた」ことが判明したと発表。これらトレーダーの4分の3はすでに辞職したか解雇されており、残りは賞与取り消しや降格を含む懲戒処分に付される。

 今回のMASによる措置は、指標金利設定の違法行為撤廃に向け世界の金融規制当局が進める動きの一環。この動きの結果、英銀大手ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(Royal Bank of ScotlandRBS)や、スイス金融大手UBS、英金融大手バークレイズ(Barclays)は数百万ドル(数億円)の制裁金を払うことになっている。(c)AFP

この記事は Dow Jones Newswires を参考にしました。