【6月12日 AFP】スペイン北東部ジローナ(Girona)の裁判所は11日、カタルーニャ(Catalonia)地方の老人ホームで入居高齢者11人を殺害したとして、ジョアン・ビラディルメ(Joan Vila Dilme)被告(45)に有罪の評決を言い渡した。犠牲者のうち3人は被告に漂白剤を飲まされていた。ビラディルメ被告の事件は、スペイン国内で大きな議論を巻き起こした。

「死の天使」と呼ばれたビラディルメ被告の有罪は陪審団が満場一致で評決した。検察側は禁固194年を求刑しており、判決は後日言い渡される。

 老人ホームで働いていたビラディルメ被告は2010年10月、85歳の女性が地元の病院で死亡した事件で逮捕された。

 ビラディルメ被告は逮捕後に殺害を自供し、女性に漂白剤を飲ませたと供述した。また、「苦しみを終わらせるため」に別の高齢者2人を殺害したことについても明らかにした。

 さらに、2009年8月から10年10月までの間に同被告が8人を殺害していたことも後に判明した。インスリンの過剰投与や致死性薬剤の混合物を与えるなどの殺害方法だった。

 弁護側は被告が精神疾患を抱えていたと主張したが、陪審は酌量すべき事情はないと判断した。(c)AFP