【6月10日 AFP】17世紀フランスの宰相、マザラン枢機卿(Cardinal Mazarin、1602~61)が所有していた江戸時代初期の蒔絵(まきえ)の櫃(ひつ)が9日、フランス中部にあるシュベルニー城(Chateau de Cheverny)で競売に掛けられ、730万ユーロ(約9億5000万円)でオランダのアムステルダム国立美術館(Rijksmuseum)に落札された。

 漆塗りに精巧な金銀蒔絵がほどこされた櫃は、競売元によると1642年~61年にフランス王ルイ14世(Louis XIV)の宰相を務めたマザラン枢機卿が1658年に入手した品。過去20年間はロワール渓谷(Loire Valley)のある家でワイン収蔵庫として使われていたという。

 19世紀に撮影された写真から、収集家だったマザラン枢機卿が購入した蒔絵の櫃4点のうちの1点であることが確認された。競売の開始値は20万ユーロ(約2600万円)だった。(c)AFP