【6月10日 AFP】トルコ各地でイスラム教系政府の10年におよぶ統治に反発する大規模な反政府デモが続く中、強硬姿勢を貫いてきたレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)首相は9日、支持者らを前にした演説で「忍耐にも限度がある」と、語気を強めた。

 イスタンブール(Istanbul)、首都アンカラ(Ankara)、西部のイズミル(Izmir)の各都市では同日も数万人が抗議デモに集まり、騒乱は10日目を迎えた。一方のエルドアン首相も3都市で集会を開き、与党・公正発展党(AKP)の支持者たちを鼓舞した。

 アンカラでの集会で同首相は、歓声を上げる数千人のAKP支持者を前に、「忍耐を続けてきたが、それでもわれわれの忍耐には限界がある」と語った。「自国の政権党に敬意を払わない者は、その代償を払うことになるだろう」。同日の演説は花火の打ち上げをもって締めくくられた。

 演説の間、同市のクズライ広場(Kizilay Square)では、警察が数千人の反政府デモ参加者を強制排除するため、催涙ガスと放水銃を使用した。

 エルドアン首相はこの日、アンカラでの演説に先立ち、南部の港市メルシン(Mersin)とその近くのアダナ(Adana)を訪問し、熱狂的な支持者らに対し、来年の地方選挙でAKPに投票することでデモ参加者に応えよと激励。「投票所での民主的な手段をもって、彼らに教訓を与えてほしい」と語った。(c)AFP