【6月8日 AFP】中国福建(Fujian)省アモイ(Xiamen)で7日、バス高速輸送(BRT)システムのバスで火災が発生し47人が死亡した。警察当局は8日、捜査を開始して容疑者を特定したと発表した。

 警察は火災が放火によるものとは明言していないが、夕方のラッシュアワーに発生し、数分のうちにバスが炎で包まれた今回のバス火災を犯罪として捜査していると述べた。市当局の記者会見によると、バスはディーゼルエンジンだったにもかかわらず、ガソリンによって燃焼が促進されたことが分かったため、犯罪として捜査が始められた。火災発生当時、バスは約100人を乗せて地上9メートルの高架道路を走行していた。

 地元警察の発表や報道では、59歳の男性が容疑者と特定され、家宅捜査が行われた。また国営の新華社(Xinhua)通信は、8日現在バス停留所の職員らが乗客の荷物を厳しく検査していると報じている。

■繰り返される交通機関の悲劇

 中国では09年に四川(Sichuan)省成都(Chengdu)市で無職の男がガソリンを使ってバスに放火し、28人が死亡、70人以上が負傷した事件があった。個人的な怒りの発散や当局への不満の解消のために公共交通機関を襲う例はこの他にも報じられてきた。

 また11年に浙江(Zhejiang)省で40人以上の死者を出した高速鉄道同士の衝突事故や、同年上海(Shanghai)で200人以上が負傷した地下鉄事故などにより、公共交通の安全性の疑問も呈されてきた。

 今回のバス火災後、インターネット上では大勢の人々が不安を語った。マイクロブログサービス、新浪微博(Sina Weibo)のあるユーザーは「急速な発展の副作用だ。バス高速輸送(BRT)を利用するたびにびくびくする」と書き込んだ。また別のユーザーは「大切なのはクオリティーだということをこの国が理解するのに、どれだけの血が流されなければならないのだろう」と述べた。(c)AFP/Neil CONNOR