【6月8日 AFP】(一部更新、写真追加)米カリフォルニア(California)州サンタモニカ(Santa Monica)の大学周辺で7日、何者かが銃を乱射した。警察によると少なくとも4人が死亡。女性5人が重軽傷を負い、うち1人は重体という。容疑者は黒ずくめの人物で、大学の図書館で警察官に射殺された。

 防弾チョッキと軍用ベストを着た容疑者は、民家で父親と兄弟1人を殺害した後、家に放火し、銃を乱射し始めた。現場からわずか数キロメートル離れた場所では、バラク・オバマ(Barack Obama)大統領が民主党の政治資金集めのイベントで講演を行っていた。

 目撃者の1人によると、容疑者は25~30歳の白人の男で、自動車で通りかかった女性を至近距離から撃ち、別の車を奪って逃走した。

 警察は当初、死亡したのは容疑者を含む7人と発表していたが、7日夜の記者会見で、容疑者を含む5人が死亡と修正した。死亡した容疑者とは別の1人が事件後に拘束されたが、ほどなく釈放された。事件は単独犯によるものだったと警察はみている。

 事件は、民家での発砲から始まったとみられている。その後、この民家は放火され、米紙ロサンゼルス・タイムズ(Los Angeles Times)によると、家の中から容疑者の父親と兄弟の遺体が見つかった。

 この民家の向かいの家に住んでいるという女性は地元のKTLA 5テレビに、銃声が聞こえたので外に出ると、弾丸ベルトを身に着けて半自動ライフルを持った警察の特殊部隊(SWAT)の隊員のような格好をした男が家の前の道路に立っていたと語った。男は向かいの家の中かその前で発砲したばかりのように見えたという。

 男は民家から離れると近くの交差点に歩いて移動し、通り掛かった車に乗っていた女性に銃を向け、車を路肩に寄せるように命じた。女性はためらった様子だったがスピードを落とした。男は至近距離から車内の女性に3~4発発砲したという。

 容疑者はさらに別の車を奪い、バスや他の車に向けて発砲。これにより1人が死亡し、もう1人が重傷を負った。その後サンタモニカ・カレッジ(Santa Monica College)に向かった容疑者は、大学図書館の前で女性を銃撃。女性は搬送先の病院で死亡した。 図書館に入った容疑者は、駆けつけた警官隊に撃たれ死亡した。(c)AFP/Michael Thurston