【6月5日 AFP】男子テニスのロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)は、自身がまだメジャータイトルを狙える選手だという信念を刺激するために、10年前に四大大会(グランドスラム)初優勝を飾ったウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)での輝かしい記憶を思い起こしている。

 31歳のフェデラーは、4日に行われた全仏オープンテニス(French Open 2013)男子シングルス準々決勝で第6シードのジョーウィルフリード・ツォンガ(Jo-Wilfried Tsonga、フランス)に5-7、3-6、3-6で敗れているが、すでにグラス(芝)コートのシーズンへ頭を切り替えている。

 今やグランドスラム通算17度のタイトル獲得を誇るフェデラーだが、初優勝は2003年のウィンブルドンで飾っている。今年のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2013)は、24日に開幕を迎える。

「グラスコートのシーズンは大好きで、ウィンブルドン選手権の初優勝からちょうど10年になる。ハレ(Halle)(ゲリー・ウェバー・オープン(Gerry Weber Open 2013))とウィンブルドンに戻るのを楽しみにしてるよ。10年前のシーズンには2つとも勝ったし、期待が持てるだろう」

 今シーズンのフェデラーは、この13年間を通じて初めて獲得タイトルなしで全仏オープンを迎えた。今季唯一の決勝進出は、5月に行われたイタリア国際(Internazionali BNL d'Italia 2013)で、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)に敗れて準優勝に終わっている。

 8月には32歳の誕生日を迎えることもあり、昨年を含めて過去7勝を挙げているウィンブルドンで連覇を逃せば、全盛期が過ぎたという周囲の見方を強めることになると理解している。

「自分に対する期待が高いだけに常にそれなりのプレッシャーがある。ただ、グラスコートシーズンはあまりに短いから十分な準備ができる選手は誰もいない」

「パリ(Paris)で起きたことはすでに過去のことだ。前に進むしかない。負けたこと以上に考えるべきことは他にたくさんある。明らかに完敗だったし、そのことにがっかりもしているが、今は他のいろんなことを思ってワクワクしている」

 苦い経験は過去にもあった。

 2008年の全仏(French Open 2008)決勝ではナダル相手にわずか4ゲームしか奪えず、グランドスラムキャリアで自己ワーストのストレート負けを喫している。

 決定的な敗北から這い上がったフェデラーはその後、同年の全米オープン(The US Open Tennis Championships 2008)を制し、さらに2009年の全仏(French Open 2009)とウィンブルドン(The Championships Wimbledon 2009)、2010年の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2010)、2012年のウィンブルドン(The Championships Wimbledon 2012)とメジャータイトルを積み重ねてきた。

「フルセットだろうがストレートだろうが、内容が良くても悪くても、負けたら敗退するだけのこと。私にとってはその事実だけが問題だ」

「私はどういうプレーをしたかより結果を重視する。生き残りさえすれば次の試合で改善のチャンスが与えられるだろう。今日はそれができなくて、荷造りして帰宅さ」

「それも構わない。サーフェスが変わるというのはやりやすい。間違いなくプラスだし、他に楽しみができるからね」

(c)AFP/Dave JAMES