【6月3日 AFP】フランスのマリソル・トゥーレーヌ(Marisol Touraine)保健相は5月28日、世界禁煙デー(World No Tobacco Day)に行われた記者会見で、電子たばこに対して、たばこ同様の規制を適用する考えがあることを明らかにした。

 たばこと同様の規制を受ければ、電子たばこの広告は禁止され、18歳未満への販売や公共の場所での使用も禁止される。ただ電子たばこを違法化するつもりはないという。

 業界筋によれば、フランスの電子たばこ利用者はおよそ50万人に上るという。

■たばこ代用品として注目、安全性に懸念も

 電子たばこは霧状の粒子を吸い込む器具で、2004年に中国で発明された。吸引するごとにダイオードが(内部の)液体を熱し、気化した液体を肺に送り込む仕組みだ。液体にはプロピレングリコールやニコチン、香味料などが含まれていることが多い。製品擁護の意見で多く挙げられるのは、たばこのようにタールや灰、毒性物質などが含まれていない点だ。

 だが専門家は電子たばこの安全性がまだ証明されていないとしており、コロンビアやパナマ、ウルグアイなど一部の国では禁止されている。イタリアでは4月、ニコチンが多く含まれていることから、購入可能年齢が16歳から18歳に引き上げられた。

 米食品医薬品局(FDA)のウェブサイトでは、消費者が吸引しているニコチンの量や「その他の有害科学物質」の量について電子たばこでは知ることができないことを指摘。また電子たばこで若者がニコチン中毒になる可能性、たばこの喫煙につながる可能性も拭えないとした。(c)AFP