【6月3日 AFP】トルコ全土で続く大規模な反政府デモで、これまでに1700人以上が拘束されたことが分かった。ムアメル・ギュレル(Muammer Guler)内相が2日、明らかにした。多くはすでに釈放されたという。トルコの半国営の通信社アナトリア(Anatolia)通信が報じた。

 人権団体やソーシャルメディアのウェブサイトは反政府デモで数人が死亡したと報じているが、ギュレル内相はこれを「誤った情報」であると否定し、市民58人と治安部隊員115人が負傷したと述べた。人権団体などは数百人が負傷したとしている。当局は、5月31日以降、100台近くの警察車両と94の店舗、自動車数十台が破壊されたと発表した。ギュレル内相によると、物的被害額は2000万リラ(約11億円)以上と推定されている。

 反政府デモの中心地となっているトルコ最大都市イスタンブール(Istanbul)のタクシム広場(Taksim Square)は2日、「政権は退陣しろ」「タクシムは俺たちのものだ」と叫ぶ数千人ものデモ参加者に占拠された。   

 今回の反政府デモはタクシム広場の再開発に反対する抗議集会から発展したもの。再開発反対デモを警察が強引に鎮圧しようとしたため、保守的・権威主義的な傾向を強める政府に対する怒りへと雪だるま式に拡大した。5月27日以降、全国67都市で235のデモが行われ、レジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)首相が2002年に政権の座に就いて以来、最大規模の反政府デモとなっている。

 首都アンカラ(Ankara)では、首相官邸に向けてデモ行進しようとした約1000人のデモ隊に対して警察が催涙ガスと放水銃を使用した。エルドアン首相は2日に行った演説で、「彼らは私を独裁者と呼ぶ。謙虚な公僕が独裁者に例えられるというのなら、私は返す言葉がない」と述べた。 (c)AFP