【6月2日 AFP】オーストリアの銀行員が、自動車で輸送していた9万ユーロ(約1180万円)の現金が入ったかばんを川に落とした。現金のほとんどが回収されていない。

 1日の現地日刊紙ザルツブルガー・ナーハリヒテン(Salzburger Nachrichten)によると、5月7日、銀行員がオーストリア西部のザルツブルク(Salzburg)州オーバータウエルン(Obertauern)にある小さな支店から近郊のラートシュタット(Radstadt)の本店に自動車で現金を輸送している途中、タイヤがパンクしてしまった。銀行員は、急斜面に現金入りのかばんを置いてパンクの修理をしていたところ、かばんが川にすべり落ちたと話しているという。

 オーストリア通信(Austria Press AgencyAPA)によると、警察と消防当局、山岳救助隊が川を徹底的に捜索したが、3000ユーロ(約39万円)しか回収できなかった。

 銀行員の証言が事実かどうか確認する目撃証言はないものの、警察は犯罪としての捜査はしていない。銀行によると、この銀行員は規則に反して自分の車で現金を輸送していたため、業務手順違反で解雇された。

 警察は「宝探し」をする人々が現れる可能性を踏まえ、川に落ちた現金を探さないよう警告。警察の報道担当者は、現場が一筋縄ではいかない山地で川には滝もあるため、現金探しは「全くの無駄」だと述べた。(c)AFP