【5月31日 AFP】米CNNテレビの看板トーク番組「ラリー・キング・ライブ(Larry King Live)」で25年間にわたり司会者を務めたラリー・キング(Larry King)氏(79)が29日、ロシアの政府系英語テレビ局ロシア・トゥデー(Russia Today)で政治トーク番組の司会を務めると発表した。

 ロシア・トゥデーのディレクターはマイクロブログのツイッターに、トレードマークのサスペンダー姿のキング氏自らが登場する番組広告へのリンクを投稿している。その中でキング氏は、「権力の座にある人々を代表して話すより、彼らに質問したい」と語る。

 ロシア・トゥデーによると、新番組「ラリー・キング・ナウ(Larry King Now)」は6月から放送される「型破りな政治トーク番組」で、「権力者たちと、体制に逆らうことを辞さない人たちの両方」をゲストとして迎える。キング氏は「論争を巻き起こすことをいとわず、他のメディアに無視された声に耳を傾ける機会を与えるために自身の権威を使うことを躊躇しない」という。

 とはいうものの、キング氏がロシアの内政に波紋を呼ぶような事態は起きそうにない。

 ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の体制下では、ロシアの独立系ジャーナリストや野党政治家、NGO(非政府組織)指導者、大物実業家などは組織的な脅迫を受けている他、数十人が襲撃・殺害されてきており、特にテレビ局は厳格な取り締まりの対象となっている。

 ロシア政府から潤沢な資金援助を得るロシア・トゥデーは、ロシア政府の見解を国外に発信するための放送局で、国内への影響力はほとんどない。(c)AFP