【5月30日 AFP】フランスの警察当局は29日、刑務所の扉をダイナマイトで爆破して脱獄し6週間にわたって逃亡を続けていた受刑者の男を、パリ(Paris)郊外の宿泊施設で発見し、身柄を確保した。

 複数の強盗で有罪となり服役していたルドワン・ファイド(Redoine Faid)受刑者(41)は先月13日、看守4人を拳銃で脅して人質に取り、爆発物でドアを次々と爆破して仏北東部セクダン(Sequedin)刑務所から脱獄した。ファイド受刑者は2010年、仮釈放中に女性警察官が死亡した強盗事件に関与した容疑で追訴されており、重刑を科される可能性が高いとみられていた。

 セクダン刑務所はベルギーとの国境からわずか15キロメートルしか離れていない。このため捜査当局はファイド受刑者が国外に逃亡した可能性も視野に入れ、欧州全域に逮捕状を出していた。

■室内に武器、新たな強盗計画か

 29日未明、仏警察はパリ中心部から約20キロ離れた工業地域ポントーコンボー(Pontault-Combault)にある宿泊施設の1室で、ファイド受刑者の身柄を確保。同受刑者をかくまっていたとして男(29)を共犯の疑いで逮捕するとともに、室内にあった武器類とこの男の車を押収した。警察では、ファイド受刑者と男が新たに強盗の計画を立てていたとみている。

 ファイド受刑者が見つかった宿泊施設は全50室と小規模で、1室1泊60ユーロ(約7900円)。他の宿泊客らは、午前3時ごろに警察が踏み込んだ際の「騒々しい物音」を聞いたと証言した。

 宿泊施設で働く女性によると、ファイド受刑者ら2人は数日前から宿泊しており、宿泊代は共犯者の男が現金で支払っていたという。また26日には、泊まっている客室を清掃しないよう言われたという。(c)AFP/Clement Zampa