【5月29日 MODE PRESS】イタリアの高級ブランド「サルヴァトーレ フェラガモ(Salvatore Ferragamo)」が今年2月にグローバルで発表した新フレグランス「シニョリーナ オーデトワレ(Signorina eau de toilette)」。すでにヨーロッパ、アジア、ラテンアメリカ、そして米国で販売しており、各国で好調に売上を伸ばしている。フェラガモ パルファム社CEOであるルチアーノ ベルティネッリ(Luciano Bertinelli)氏に話を聞いた。 ■インタビュー:ルチアーノ ベルティネッリ フェラガモ パルファム社CEO -シニョリーナ オーデトワレ誕生の経緯は? L:2012年に、世界的に「シニョリーナ オーデパルファム」という製品を発売したのですが、こちらはターゲットは25歳から35歳くらいの女性を対象にしていました。非常にエレガントであり、特徴的なのが、イタリアを代表するデザートのパンナコッタを香りに取り入れたことです。この香りが、全世界的に大成功を納めており、そういった一連の流れを経て、今回新しくより若い層に向けた「シニョリーナ オーデトワレ」を発売することになりました。 -新しい香りの特徴は? L:よりフレッシュであることです。オーデパルファムとオーデトワレでは、ベースになっている香りが異なりますが、どこか統一感を持たせたかった。もっとフレッシュなターゲットという点では、若々しいライラック色であったり、喜び(JOYFUL)に満ちた というポイントを表現しています。例えば、ボトルの色をオーデパルファムがピンク色だったので、オーデトワレはフレッシュなライラックカラーを取り入れました。香りのベースには、同じくイタリアのデザート、ミルクムースを香りに使用しています。トップノートにグレープフルーツとライチの爽やかな香りが幸せな気分にしてくれるでしょう。 -ターゲットはどのような女性ですか? L:ターゲットを具体的に、こう、と決めるのは難しいのですが、あえて言うのであれば、こちらは18歳から24歳。オーデパルファムは、25歳から35歳という設定なのですが、わかりやすく言うと、ちょっと生意気な女の子、という言葉がピッタリかもしれませんね。 -フェラガモブランドの香りの特徴とは? L:フェラガモは、ファッションでもそうですが、最も大切にしている世界観の一つとして「timeless elegant」というキーワードがあります。それは、時代が変わっても決して変わることのないエレガントさを意味します。ですから、フレグランスもファッションも「普遍的なエレガンス」を基調としていることですね。 -ボトルデザインについて教えてください L:フェラガモブランドのデザインはとてもシンプルです。代表的なシューズで「ヴァラ(Vara)」シリーズは、私たちの靴のビジネスにおいてアイコン的な存在でもあります。その要素をフレグランスの世界に取り入れたいと思い、「シニョリーナ」シリーズのボトルデザインに反映させました。 -“フェラガモブランド”の特徴、他ブランドとの違いは? L:まず一つ目の大きな違いというのは、フェラガモパルファムはすべてインターナルで行っていることです。それは開発、製造、販売というところを全て一括してフェラガモパルファムで管理運営をしています。つまり私たちはライセンスビジネスではなくインターナルで行っているということが他ブランドとの大きな違いです。 もう1つ大きな違いとしてはフェラガモブランドは、ファッションにおいて製品の全てを「メイドインイタリー」にこだわっています。同じようにパルファムの製品も全てがインターナルで、メイドインイタリーというところが他のブランドと違うところです。 あらゆる細部に到るまでがメイドインイタリーです。例えばフレグランスのボトルで使用しているガラスも、イタリアグラスを使っています。そしてこのヴァラボー(リボン)はミラノで製造されています。 そしてなによりも大きな違いは、ファッションとフレグランスの世界に一貫性を保っているということです。フェラガモブランドは、すべてにおいてファッション性を重要視しています。 -なぜライセンスにしないんですか? L:それは私たちがフェラガモブランドである所以ですね。明日の売上のことを考えているのではなくて、20年後、40年後、ブランドの将来性を考えてライセンスではなくインターナルで行うことに意味があると信じています。ファッションハウスとしてのサルヴァトーレ・フェラガモは80年以上の歴史を持つ会社になりました。その歴史と伝統は常に意識していかなければいけません。私たちは、明日、6ヶ月先の売上を考えるのではなくて、ブランドの20年後を見据えて、1つ1つを丁寧に築いているのです。 -フレグランス業界において日本市場に、どういう期待値を持っていますか? L:残念ながら日本の香水市場というのは、あまり明るくはないかもしれません。なぜなら日本の経済状況というのはまだ大変な状況にありますからね・・・。とくにここ2、3年は日本経済は非常に苦戦しているのではないかと思っています。ですが、そういった事実にも関わらず、私たちは楽観的な考えを持っています。なぜならそういった状況ではありますが、今年に入って少しずつ良い傾向が出てきています。今回のシニョリーナオーデトワレの反応が楽しみです。 というのもシニョリーナ オーデトワレは、発売して以来、私たちの期待をはるかに超える反響を受けています。ヨーロッパ、アジア、ラテンアメリカ、アメリカと各国で発売をしていますが、いずれの国でもオーデパルファムをしのぐ人気ぶりです。日本の若い世代の方々にもピッタリではないでしょうか。軽くて、フレッシュであまり重くなくて毎日使えるもの。それに30mlのボトルは、とてもコンパクトでかわいらしいですからね。【岩田奈那】(c)MODE PRESS