【5月29日 AFP】日本の動物保護団体が28日、絶滅が心配されるナガスクジラの肉がペットの犬用のおやつに加工されて販売されていることに抗議の声を上げた。

 アイスランド沖で捕獲されたナガスクジラの肉を犬用の鯨ジャーキーに加工してインターネットを通じて販売したのは、東京に本社を置く「みちのくファーム(Michinoku Farm)」。同社のウェブサイトには「低カロリー、低脂肪、高タンパクの犬用おやつ」との宣伝文句が書かれていた。

 今回、抗議の声明を出した4つの動物保護団体のうちの1つ、「イルカ&クジラ・アクション・ネットワーク(IKAN)」の倉澤七生(Nanami Kurasawa)事務局長は、「犬のおやつとしてクジラ肉を売るのは、他人とは違うと富を自慢したがる富裕層をターゲットとしているのだろう」と語る。

 みちのくファームの金野琢馬(Takuma Konno)代表取締役は、「日本では多くの人がペットの犬を家族同然の存在とみている。(動物保護団体は)クジラを重要な動物だとみているが、私たちは犬も同じぐらい重要だと思っている」とAFPに語った。

 捕鯨をめぐる議論にあまり詳しくなかったかも知れないと語った金野氏は、誰かの心をかき乱す恐れがあるのなら当該商品を販売する価値はないとして、鯨ジャーキーの販売を中止すると述べた。(c)AFP/Harumi Ozawa