【5月28日 AFP】南アフリカのクワズール・ナタール州(KwaZulu-Natal)のカジノで「魔物の儀式」でギャンブル運を呼んであげると触れ込んだ34歳の女が、客から宝石類などをだまし取った罪など、計53件の罪に問われている。

 ナンシー・シャネル・ナイドゥー(Nancy Shanelle Naidoo)容疑者は、カジノの客たちに自分が持ち物に願を掛ければ「トコロッシュ」という小鬼のような妖怪がギャンブル運をもたらしてくれると約束し、客たちから装飾品などを預かり受けていた。

 だが、地元紙サンデー・タイムズ(Sunday Times)によると、女は儀式のために預かったグッチ(Gucci)やミシェル・ハーベリン(Michel Herbelin)といった高級ブランドの香水や腕時計、ブレスレット、ネックレスを持ち主に返却することはなかった。

 このため検察当局は、クワズール・ナタール州のカジノで総額200万ランド(約2100万円)相当の物品を客からだまし取った疑いでナイドゥー容疑者を起訴した。罪状は53件に上り、中には被害者に薬物を服用させて所持品を奪い逃走した罪も含まれている。

 南アフリカの農村や都市部に住む人びとの中には、いまでもトコロッシュは存在すると強く信じている人もいる。トコロッシュは悪事を働く小さな魔物とされ、疫病やレイプ、不運などはトコロッシュのせいだとする例も後を絶たない。(c)AFP