【5月23日 AFP】中国で今月、日本人セクシータレント・AV女優の蒼井そら(Sola Aoi)さん(29)の手による書道作品が競売にかけられ、9万5000ドル(約980万円)相当で落札されたと、上海市共産党委員会の機関紙・解放日報(Liberation Daily)が22日伝えた。同紙は蒼井さんの書体について「子どもっぽくて未熟」と厳しく批評。これを受けて中国で芸術性をめぐる議論が巻き起こっている。

 競売にかけられた書道作品は、4月に蒼井さんが浙江(Zhejiang)省寧波(Ningbo)にあるテーマパーク「鳳凰山(Phoenix Mountain Theme Park)」を訪れた際に手掛けたもの。毛筆で「好玩的鳳凰山来園(面白い鳳凰山に来園)」と記されている。

 人気AV女優で近年は他の分野へも活躍の場を広げている蒼井さんは、中国で絶大な人気を誇る。ポルノ映画は当局の検閲対象だが、蒼井さん出演作品は海賊版DVDが広く出回っており、4月の鳳凰山訪問の際には、155センチメートルと小柄な蒼井さんを男性中心のファンが取り囲む一幕もあった。蒼井さんの中国語ブログの読者は1400万人近くに上る。

 蒼井さんの中国人ファンたちは、解放日報の批判に直ちに反論している。あるファンは「蒼井先生は素晴らしい。技術の中に高潔さも込められている。落札価格は妥当」とマイクロブログの微博(Weibo)に書き込んだ。

 一方で、蒼井さんがテーマパークの宣伝に使われたとオークションを批判する声も少なくない。4月の訪問は、鳳凰山側が全額を負担していた。オークションについて鳳凰山側は取材を拒否している。

 解放日報は、上海青年書道協会の副会長の「ただの商業活動だ。彼女の書道は芸術性とは無縁で、売買する側も芸術性など気にしていないだろう」とのコメントも伝えている。(c)AFP