【5月23日 AFP】(写真追加)2年前に走行中の列車から強盗に突き落とされ、脚を失った元バレーボール選手のインド人女性が21日、下肢切断者の女性として初めて世界最高峰エベレスト(Everest)の登頂に成功した。

 この女性はインド北部ウッタルプラデシュ(Uttar Pradesh)州のアルニマ・シンハ(Arunima Sinha)さん(26)。ベースキャンプからゆっくり登山し、21日朝、エベレストの頂上に到達した。遠征を企画した登山会社アジアン・トレッキング(Asian Trekking)の創設者アンツェリン・シェルパ(Ang Tshering Sherpa)氏は22日、「ハイキャンプを20日午後6時に出発し、頂上には21日午前10時55分に到達した」と発表した。

 インド代表レベルのバレーボール選手だったシンハさんは2年前、列車内でシンハさんの財布を盗もうとした強盗グループに応戦しようとしたところ、一味に列車から突き落とされ、通過した別の列車に左脚をひかれた。医師団はシンハさんの命を救うために膝から下を切断せざるを得なかった。

 身体に障害のある人がエベレストの頂上に到達したのは、交通事故で片足を切断した英国の登山家トム・ウィッテカー(Tom Whittaker)氏の1998年の登山が初めて。(c)AFP