【5月22日 AFP】イタリア司教協議会のテレビ局TV 2000が、フランシスコ(Francis)ローマ法王が車椅子の少年に悪魔払いを行ったと報じたことについて、ローマ法王庁は21日、これを否定した。

 テレビ局が撮影した映像には、ペンテコステ(聖霊降臨祭)の式典が行われた19日に、法王が車椅子の少年の頭に少しの間両手を載せる姿が映っている。少年は数秒間体を震わせ、叫ぶかのように口を開けている様子を見せた。

 バチカンのフェデリコ・ロンバルディ(Federico Lombardi)広報局長は、「病人や苦難を抱える人に面会した法王がよくされるように、ただその人のために祈るという意図があったにすぎない」と語った。

 TV 2000のディノ・ボッフォ(Dino Boffo)ディレクターは21日、「法王が悪魔払いの実施を否定している以上、部分的にしか真実と言えないニュースの報道を無自覚に許可してしまった」と述べて謝罪した。

 同テレビ局は過去にも、故ヨハネ・パウロ2世(John Paul II)やベネディクト16世(Benedict XVI)という歴代法王が悪魔払いを行っていたという主旨の放送を行ったことがある。同局は24日、「悪魔とその誘惑に対する法王の苦闘」を主題とした特別番組を放送する予定。

 悪魔払いは、人物や場所から悪魔を追い払う古くから存在する行為で、ローマ・カトリックをはじめ複数の宗教にもあるが、信者であっても悪魔払いに強い懐疑の念を示す人が多い。(c)AFP