【5月19日 AFP】パキスタン南部のカラチ(Karachi)で18日夜、野党パキスタン正義運動(Pakistan Tehreek-e-InsafPTI)の女性幹部が殺害された。

 シンド(Sindh)州PTI女性部のザラ・フセイン(Zohra Hussain)副部長(59)は、州都カラチの高級住宅街にある自宅近くで、バイクに乗り銃を持った3人の男に銃撃された。

 PTIの地元指導部の1人はAFPに対し、フセインさんは仕事で家を出たところ男たちに襲われ、「ひったくりだと思って財布を差し出したところ、男たちは彼女を殺した」と語った。警察によると、男らはフセインさんの殺害後、逃走している。

■対立政党の「テロ」と非難

 パキスタン正義運動を率いるクリケットの元スター選手、イムラン・カーン(Imran Khan)氏は、野党ムータヒダ民族運動(Muttahida Qaumi MovementMQM)と、MQMの指導者でロンドン(London)に亡命中のアルタフ・フセイン(Altaf Hussain)氏が事件に関与しているとして非難した。

 パキスタンでは11日に投票が行われた国民議会(下院)選挙と4州の州議会選挙の前から襲撃事件などが相次ぎ、合わせて約150人が犠牲になっていた。この選挙で不正があったというPTIの主張が認められ、19日にカラチ市内の43か所で部分的な再投票が行われることになっていた。しかしMQMは不正に関与していないと主張して再投票のボイコットを発表するなど、両党の緊張は高まっていた。

 マイクロブログのツイッター(Twitter)でカーン氏は、「公共放送を使ってPTIの職員や幹部を公然と脅してきたフセイン氏が(18日の殺人事件に)直接関与していると思う」とコメントし、「特定の人物を狙ったテロ行為だ」と非難した。カーン氏は「英国市民でもあるフセイン氏がPTI職員を公然と脅迫したため、私は英国政府にその旨を伝えていた。そのため英政府にも責任がある」と述べ、「残酷な殺人に衝撃を受け、深く悲しんでいる」と付け加えた。(c)AFP